道草メモ

モノヅクリ的自給自足・道草屋のいろんな知恵とメモ

かまぼこを古代スタイルで作る。

前にかまぼこを作ろうとしたことがあって、魚をたたいて板に塗って、蒸したのだけれど、なんか高級すぎるというのか、魚の素材そのものって感じのものができた。

なんかあのビニールのようなやわらかいプラスチックのような、チープな感じのかまぼこが作りたかったんだけど。

 

まあ、それはそれとして、今度は大昔スタイルでかまぼこを作ってみよう。

 

日本で古代から食べられている食材なり料理なりはそんなに数多くないのだけれど、

かまぼこも平安時代から食べられてきたもの一つ。

そのころは竹に魚のすり身を塗りつけて焼いていたらしい。今でいうチクワです。

かまぼこは蒲鉾と書くんだけど、蒲(がま)という植物の穂のとこに似ているから。チクワだったら似てるよね、確かに。

室町時代に板にすり身を塗って焼く方法が考え出されて、さらに江戸時代に焼かずに蒸すという方法が考え出されたらしい。

たぶん、竹の棒に塗りつけるより板の方が楽だと思ったんだろうし、一本一本焼くよりセイロに入れて蒸してしまう方が楽だと思ったんだと思う。

やってみたらわかるけれど、竹の棒に魚を塗りつけるのはできなくはないけれど、そうとう面倒くさい。

 

ちなみにハンペン、あれは魚のすり身をお椀にいれて蒸しはじめてできたらしい。分量をちゃんと軽量したかったんだって。

そんなルーツを持つかまぼこの最初の姿を作ってみた。

 

まず魚と竹を用意。

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骨をとったら、塩を少し入れてフードプロセッサーでウィーンとやる。昔の人は包丁でたたいて、すり鉢ですってたらしい。大変だわ。

だから長い間、大正時代くらいに機械化されるまでは、けっこう特別な日のご馳走、いわゆるハレのごはんだったわけです。

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竹の棒に塗りつける。けっこうめんどくさい。

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グリルで焼いた。これを一本ずつ焼くのはいやかも。そりゃ蒸し始めたくなると思う。

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あとは棒を抜いて輪切りにするとチクワ、じゃなくて古代スタイルかまぼこのできあがりです。

味はあいかわらず高級感があるっていうか、魚のうまさが存分に引き出されておいしい。チープじゃなくてもいいと思える感じ。

なんか板で蒸すスタイルより、こっちの方がうまい気がする。

 

というかまぼこのルーツを想う一品でした。やってみて。